甲状腺機能低下症



受診科:内科・内分泌内科
甲状腺機能低下症こうじょうせんきのうていかしょう
甲状腺ホルモンの分泌が十分にできなくなったために、甲状腺ホルモン不足症を呈する病気で、ほとんどが慢性甲状腺炎です。

原因

甲状腺機能低下症を代表する甲状腺炎は、別名橋本病と呼ばれています。

原因はまだわかっていませんが、40~50代の女性に多く見られ、バセドウ病と同様に自己免疫疾患といわれています。

血液中に甲状腺に対する自己抗体ができますが、この自己抗体には甲状腺を刺激する力がなく、甲状腺組織を破壊する手助けをしてしまうと考えられています。そして、バセドウ病のように家族的に発病することがあります。

症状

甲状腺ホルモンの分泌が低下しているくらいでは、目立つ症状はありません。

しかし、甲状腺ホルモンが不足してくると、物忘れや無気力、寒気、発汗の低下、居眠り、皮膚がカサカサになる、眉毛や髪が薄くなるなどの、症状があらわれてきます。

さらに症状がひどくなると、顔や下肢全体がむくんだようになります(粘液水腫)。

日常の動作も、のろくなり、言葉もゆっくり、1日中のんびりしていることが多くなります。

また、極端に甲状腺ホルモンが不足した状態になると、昏睡に陥ることもまれではありません。

診断・治療

甲状腺全体がはれますが、これだけでバセドウ病と慢性甲状腺炎を区別するのは難しいものです。そこで甲状腺機能の検査を行います。血液中の甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの測定、また、血液中コレステロールの増加もみます。これらの検査を行えば、慢性甲状腺炎の診断は容易に確定されます。

治療については、甲状腺機能が正常なら、なにもする必要はないでしょう。しかし、甲状腺機能低下症がある場合は、甲状腺ホルモン剤で補います。少量からはじめて慎重に増量します。

血液中の甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモン両方の濃度が正常になり、決められた量の薬を服用している場合は、症状が出ることはありません。

なお、家族的に発生することがあるので、近親者にこの病気がみられる場合は、思いあたる症状がないかよく注意してください。

バセドウ病

甲状腺ホルモン分泌過多、甲状腺破壊による甲状腺ホルモンの血液中への多量漏洩などを原因とする、血液中の甲状腺ホルモンの増えすぎによって起こります。症状は、体重の減少、動悸、息切れ、手指のふるえ、精神不安など。