受診科:内科・代謝科・内分泌科
肥満症ひまんしょう
体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を肥満といい、それが原因でからだに異常をきたす病気を肥満症といいます。

原因

肥満は大きく3つのタイプに分けられます。

単純性肥満と症候性肥満

単純性肥満は食べ過ぎが原因で、これに加えて運動不足が症状を悪化させます。環境やホルモンの調節異常、代謝性因子や精神的因子が肥満症を悪化させる要因になります。

症候性肥満は、病気が原因で起こるもので、糖尿病や甲状腺機能低下症、クッシング症候群などの病気に合併して起こります。また、食欲をコントロールする視床下部の障害によって起こる視床下部性肥満や、抗精神薬や副腎皮質ホルモン剤などの薬によって起こる薬剤性肥満などもあります。

脂肪細胞増殖型肥満と脂肪細胞肥大型肥満

脂肪細胞の数が増える脂肪細胞増殖型肥満は子どもに多く見られ、成人になっても細胞の数は変化しないので減量は難しいとされるものです。

また、脂肪細胞肥大型肥満は成人になってから発症する肥満で、脂肪細胞そのものが大きくなって代謝異常を起こします。

内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満

肥満症は脂肪の量だけでなく脂肪がどこについているかが発症に大きく関係すると言われます。

内臓脂肪型肥満は内臓に、皮下脂肪型肥満は腹部に脂肪の蓄積が著しいものです。糖代謝や脂質代謝に異常が発生しやすいのが内臓脂肪型肥満で、糖尿病、動脈硬化、心臓病、高血圧に関わるものと考えられています。

診断

肥満の斑点には、標準体重または体格指数などを用いる方法、体脂肪率を測定する方法などが行われます。以前は標準体重の算定法として、ブローカの変法が使われましたが、最近ではBMIの標準体重を用います。

体格指数は、ボディマス指数(BMI)をよく用います。

日本肥満学会では、

  • 22を標準
  • 18.5未満をやせ
  • 18.5以上を25未満を普通
  • 25以上26.4未満をやや肥満
  • 26.4以上を肥満

と定めています。

WHOや厚生労働省も別に指標を発表しています。

ただし、身長と体重のみによる指数には限界があり、お判定には腹囲測定も使われます。

BMIの測定方法

BMI(ボディ・マス・インデックス = 肥満度)

BMI = 体重 ÷ (身長m × 身長m)

BMI測定方法

数値 目安
18.5未満 やせ
18.5~25未満 標準
25~30未満 肥満
30以上 高度肥満

治療

治療は体重を減らすことですが、それには食事療法、運動療法、薬物療法、行動療法などがあります。

食事療法

1日に摂取するエネルギー量の制限と栄養素のバランスを良くすることの2点がポイント。通院と入院の場合では摂取エネルギーが異なるので、医師や栄養士の適切な指示を受けて気長に辛抱強く継続してください。

そしてカロリー制限を行いつつ歩行やジョギングなどの軽度の運動を、無理のない範囲で毎日行うと効果がみられるはずです。

薬物療法

食欲を制限する薬を使うことになります。しかし副作用があるので、BMIが35を超えるような高度肥満患者のみに使われるくらいです。

行動療法

生活習慣や摂食状態を分析して、これを正しい減食のための生活に変えていくために行われます。肥満解消教室などに参加して集団で行うのがいい結果を生むといわれますが、本人の強い意志がなにより大切なことはいうまでもありません。

知識や食習慣、運動などについて教育することが、今度の社会課題になっていくことでしょう。