肝炎



受診科:内科・肝臓科・消化器科
肝炎には急性と慢性がありますが、急性肝炎ははじめて肝炎ウイルスに感染して発病した状態をいいます。

原因

肝炎ウイルスの感染によって発病する病気です。水や食べ物を介して口から入るA型肝炎、E型肝炎と、おもに血液を介して侵入するB型肝炎、C型肝炎、D型肝炎があります。このうち日本でよくみられるのはA型肝炎とB型肝炎、C型肝炎です。

A型肝炎

肝炎ウイルスが肝臓に入り込んで増殖すると、他の肝細胞に感染して、平均約1ヵ月の潜伏期間のうち発病します。

B型肝炎

血液を介して感染しますが、肝炎を発症する場合と肝炎を起こさないで未症状のまま治療する場合があります。

C型肝炎

ほかの肝炎と違うのは慢性化する頻度が高いということです。

症状

型によって、それぞれ特徴があります。

A型肝炎

発熱、全身の倦怠感、食欲不振、悪心などかぜに似た症状ではじまります。38度以上の高熱を伴うことが多く、数日後には黄疸も出現します。症状は1~2週間くらいで軽減します。8週間以内に完治することがほとんどです。

B型肝炎

A型肝炎と同じようなかぜに似た症状があらわれますが、A型のように高熱を伴うことはまれです。幼児期や免疫力が低下しているときに感染した場合には、持続感染者(キャリア)に移行することがあります。

C型肝炎

症状が軽いのが特徴で、感染者本人も気が付かないことが多いものです。しかも回復に時間がかかります。いったんは回復して治ったと思っても、また再発を繰り返すことが多く、慢性化しやすい病気です。

診断・治療

診断は、血清学的検査を行い、肝炎ウイルスが侵入してできた感染抗体(IgM型抗体)を調べて、どの型のウイルスに感染したかを判定します。

A型肝炎

IgM型抗体を陽性となります。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスによってつくられるHBs抗原が検出されますが、陰性と判定されることもあります。この場合はIgM型のHBC抗体を検査すると確定されます。

C型肝炎

C型肝炎ウイルスに対する抗体の検査で判定されます。しかし、発病してすぐに検査をしても陰性であることが多く、6ヵ月ぐらいたってはじめて陽性と判定されることもよくあります。HCV-BNA測定が早期診断には必須です。

治療は臥床安静(1カ月ぐらい入院してベッドに横になり、安静を守る)が大切です。急性期には肝臓に流れる血液の量が減少し、からだを動かすとさらに減少するからです。

食欲が落ちて胃や腸の働きが低下するので、食事は消化吸収の良い糖質中心のものを心がけます。また、食欲がなくてたべられないときはぶどう糖の点滴で栄養補給を行います。退院後も体調を回復するために同様の養生をします。

食欲がない場合は、スムージーなどで、栄養補給をしましょう。

またC型肝炎の場合は、肝生検などの精密検査を受け、C型肝炎ウイルスに効果的な抗ウイルス薬のインターフェロンやリバビリン内服の併用で治療を行います。インターフェロン、リバビリンはC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する働きがあるのでかなり高価が期待できますが、副作用もあります。発熱、悪感、倦怠感などですが、心配はいりません。

予後・予防

型によって、注意すべき点がいくつかあります。

A型肝炎

たいてい2カ月ぐらいで治ります。慢性肝炎に移行することもなく予後のよい肝炎です。またいったん治れば再発することもないので、退院後1~2週間は自宅で養生し、そのあとは普通の生活に戻っても大丈夫です。ただし、約1%が劇症化し、その約40%が死亡します。

B型肝炎

B型肝炎ワクチン(HBVワクチン)によって予防ができるようになり、キャリアの数が減ってきています。出産時の母子感染は激減していますし、キャリアの家族へのワクチン接種、医療関係者などにもワクチンが接種されて、近い将来数少ない病気になると思われます。

C型肝炎

粘膜などの傷口からウイルスが血液を介して侵入します。ですからC型肝炎と診断されたら、出血した血液のついた紙やガーゼは焼却し、タオルや歯ブラシ、かみそりなどは共用しないように心がけることが、感染予防につながります。

E型肝炎

予後はA型肝炎同様ですが、妊婦では劇症化しやすいと考えられています。