かぜ症候群



受診科:内科・呼吸器科
呼吸器疾患のなかで、もっとも多いのが「かぜ」です。でも「かぜ」がどういう症状の病気かというと、はっきりしていません。

原因

かぜの原因で一番多いのは、ウイルスによる感染症でしょう。

ウイルスは生きて増殖していくために必要な物質を自分ではつくることができないので、細菌や動物の細胞に寄生して増えていきます。

ウイルスのほかには、病原微生物のマイコプラズマやクラミジアなどによって起こることが、まれにあります。

かぜは冬に多発しますが、これは原因となる普通感冒ウイルス(7パラインフルエンザウイルスやライノウイルス)やインフルエンザウイルスにとって、寒さや乾燥が生存に適しているために感染力が増すためです。

また、夏から秋口や早春にもかぜをひく人の数が急上昇するのは、かぜは気温が激しく変化するときにかかりやすいといういうことで、寒さそのものがかぜの原因ではないと考えられます。

また、大気中の湿度もかぜの流行を大きく左右する要因です。40%以下の相対湿度の空気中では、ウイルスは活発に増え続けることで実験で証明されています。

そして人から人にかぜが感染していくのは、かぜをひいている人がくしゃみをしたり、話をしたりするときに出る飛沫中のウイルスを吸い込む(飛沫感染)ためです。

症状

感染したウイルスによって症状は多少違いますが、一般にかぜと呼ばれる普通感冒(コモンコールド)の場合は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、せき、たん、のどの痛み、声がれなどの症状に伴って、発熱、頭痛、からだがだるい、吐きけがする、頭痛、下痢、関節の痛みなどの症状が出て2~3日で回復することが多いようです。

ただし、すでに気管支や細気管支に慢性の病変をもっている場合は、病変が急激に悪化して気道(空気の通り道)がせまくなり、呼吸に障害が起こって息苦しくなることがあります。

また、慢性の病変をもっていない人でも、ウイルスの感染によって、はげ落ちた気管支の粘膜に新たに細菌(黄色ぶどう球菌やインフルエンザ菌など)が感染(二次感染または混合感染という)して、合併症を引き起こすことがあるので、注意が必要です。

診断・治療

かぜの原因となるウイルスに直接効力を発揮する薬は、インターフェロンを除いてはありません。ですから、のどの痛みや鼻水などの諸症状を和らげる対症療法を行います。

のどや関節、筋肉の痛み、発熱には鎮痛、解熱作用のあるアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの薬、鼻づまりや鼻水には抗ヒスタミン剤などが、よく使われます。

ただし、抗ヒスタミン剤は眠くなる場合があるので、車を運転するときなどは使えません。

また、のどの痛みには漢方薬の桔梗湯ききょうとうが効果的です。せきにはせきどめが疲れますが、たんにが出にくくなることがあるので注意してください。

市販の総合感冒薬はこういった薬をまんべんなく含んでいるので、症状さえ合えば効果的ですが、うまくいかない場合もあります。そうした場合は医師の診断を早めに受けて症状に合った薬を処方してもらいましょう。

予後・経過

かぜにかかったときには、休養をとることがなにより大切です。からだを温めて十分な水分(大塚製薬 オーエスワン(OS-1)など)と栄養(スムージーなど)を補給し安静を保ちます。

さらに睡眠を十分にとって入浴や喫煙は控え、部屋を乾燥させないようにすることも心がけましょう。通常、数日で症状は改善されます。

症状が治まってもしばらくは無理をせず、入浴も熱が下がったのちい2~3日は控えておいてください。

症状がいっこうに良くならず、長引く場合には、医師の診察をうけることが必要です。

とくにせきやたんが1週間以上も続くような場合には、肺炎の合併が考えられるので早めに診察を受けてください。

予防

かぜの特効薬はいまのところありませんから、日ごろの生活に注意を払うことが大切です。過労を避け、十分な休養と質の高い睡眠、保温を心がけて適度な運動や栄養バランスのよい食事をとりましょう。

さらにビタミンCビタミンAの摂取や乾布摩擦を積極的に行って、抵抗力をつけましょう。たばこの吸い過ぎにも気を付けましょう。