白血病



受診科:内科・血液科
正常な働きをしない血液細胞が異常に増殖する血液のがんです。急性型・慢性型・骨髄性・リンパ性に大きく分類されます。

原因

ここでは、代表的な白血病をあげます。

急性白血病

原因は不明です。白血球は骨髄などで造血幹細胞から分化しますが、ここに未熟な白血病細胞が増えて、正常な造血ができなくなった状態です。

慢性骨髄性白血病

急性白血病に比べて徐々に進行する病気で、造血細胞の腫瘍性増殖に起因する疾患です。フィラデルフィア染色体がみられ、白血球の著しい増加があらわれます。

フィラデルフィア染色体

フィラデルフィアでみつかった染色体異常で、慢性骨髄性白血病のときにみとめられることから診断時に有用とされています。

慢性リンパ性白血病

末梢血液中に著しいリンパ球の増加がみられる腫瘍性疾患です。日本では欧米にくらべて非常にすくない病気です。

成人T細胞白血病

レトロウイルスの一種であるHTLV-I(人T細胞白血病ウイルスI型)がTリンパ球に感染することによって起こる病気です。感染経路は夫婦間の性交、母子間で母乳や分娩時の感染、輸血や血液製剤などです。日本で発見された白血病で、西南日本地方に多く見られ、海外では中国やカリブ周辺地域などでみつかっています。

症状

それぞれの白血病に多様な症状がみられます。

急性白血病

異常細胞が骨髄を染料して正常な血液をつくる能力に障害が起こり、赤血球、白血球、血小板が減少。さらに赤血球の現象によって貧血、白血球の減少によって感染、血小板の現象によって出血などの症状が出現します。そして白血病細胞が血液を介して全身の臓器に運ばれ、臓器の働きに障害が出てきます。

自覚症状は鼻や菌の出血、歯肉のはれ、貧血、めまい、倦怠感など。

慢性骨髄性白血病

治療を続けているのに急に悪化して急性転化を起こすのが特徴です。末梢血液や骨髄に幼若細胞がふえて急性白血病と同じような症状があらわれます。発熱、貧血、出血、腰痛、脾臓の腫大、頭痛、リンパ節のはれなどがおもな症状。骨髄の殴打痛も特徴です。

急性転化

急性骨髄性白血病の経過中に、芽球が増加し、白血病裂口も出現して急性型になること

慢性リンパ性白血病

著しい白血球の増加やリンパ節腫大、肝臓や脾臓の腫大、末梢血液中のリンパ球増加がみられます。中年以降に発症することが多く、進行すると貧血や血小板減少などを合併します。また、この病気は種々の免疫不全を合併しやすいため、感染症を起こすことが多いです。

成人T細胞白血病

この白血病の症状は、慢性・急性のリンパ性白血病、悪性リンパ腫の症状がみられるもの、あるいは無症状のものとさまざまです。症状が進行すると急性白血病のような症状になります。さらに免疫不全のために感染症や悪性腫瘍を合併しやすいのが特徴で、皮膚浸潤が高率にみられます。

診断・治療

十分に注意してあたりたい病気です。早期には白血球数は正常なのがふつうです。

急性白血病

末梢血液検査や骨髄穿刺などで白血病細胞を確認できれば診断できます。治療は、白血病細胞の消滅を目的に抗白血病剤の投与が行われますが、新しく開発された薬剤を数種組み合わせて服用します(寛解導入療法)。そして骨髄の働きがもとに戻るまでの期間に起こる可能性がある出血や感染に対する治療(補助療法)も行われます。こうした治療を行って一見完治したようにみえてもなお、体内には多数の白血球が残存しているので、再発を防ぐために地固め療法を継続します。寛解期間を長時間保つための寛解維持療法を行います。このように急性白血病の治療は長期にわたって行われ、なかには造血幹細胞移植療法が必要な場合もあります。

慢性骨髄性白血病

骨髄穿刺などで芽球(幼若細胞)の増加を確認できれば診断されます。

治療は、慢性期にはインターフェロンの化学療法によって貧血や脾腫を改善し、急性転化が起こったら急性白血病と同じ治療法が行われますが、最善の治療法は造血幹細胞移植療法です。医師とよく相談して、判断してください。

慢性リンパ性白血病

末梢血液や骨髄のBリンパ球の増殖やリンパ節生検、肝臓や脾臓のはれ、γ-グロブリンによって診断されます。数年から数十年にわたって慢性に進行するので、症状がなければ治療を行う必要はありません。症状が進行した場合には、フルダラビンや副腎皮質ステロイド薬などの薬物療法がおこなわれます。また、合併症の免疫不全の治療は重症で難治性なので、十分な注意が必要です。

成人T細胞白血病

細胞検査を行うと白血病細胞の細胞核に、多くのくびれがあるという特徴で診断できます。また、T細胞のタンクローン性増殖、血清HTLV-1抗体陽性、染色体異常、白血病細胞中のHTLV-1の遺伝子がみられたらこの病気であることが診断されます。約40%の例で高カルシウム血症が生じています。

治療は抗白血病薬の投与が行われますが、末期になるとほとんど効果がみられなくなるため、感染症を併発する事が多いです。そのため積極的な治療よりも対症療法のほうが結果的によいと考えられます。

高カルシウム血症

血液中のカルシウム濃度が10.5mg/dl以上になった状態で、不整脈、脱水症状、嘔吐、筋力低下、倦怠感などがあります。

予後・予防

急性白血病の場合は大変長期にわたる治療が必要なので、患者本人および家族も含めて気長に病気と取り組む覚悟をすることが大切です。慢性骨髄性白血病では急性転化を行うことが望まれますが、45歳以下で骨髄を提供してくれる同胞がいることが条件になるので、医師とよく相談してください。

一方、慢性リンパ性白血病の場合は中年以降にみられることから、骨髄移植を安易に決めるのは考えものです。成人T細胞白血病の場合は、原因がウイルスで感染経路がわかっているので感染予防が大切です。

なお、以前にはみられた輸血や血液製剤による感染は、最近チェックが厳しくなったのでほとんど見られなくなりました。気をつけるのは母乳を与えるときに子どもが感染すること。この場合の予防はもちろん、母乳を与えないことです。

白血病患者の日常生活での注意点

うがい

うがい
朝、夕、食事の前後にはうがいを行い、口腔内をきれいにしておきます。

歯みがき

歯みがき
歯みがきのとき歯ぐきからの出血を防ぐため、歯ブラシは柔らかい毛のものを使うのが適当です。

肛門

ウォシュレット
つねに清潔に保ちます。

とくに肛門周辺は細菌も多いので、きれいにふいてください。その際、噴水洗浄式(ウォシュレット)の便座は非常に役に立ちます。

マスク

マスク
感染症を避けるため、外出のときはマスクをつけます。また、かぜの流行期の外出や、人ごみのなかは極力控えてください。

熱(体温変化)・貧血

体温検査
熱が出たり、貧血になったりしたときはすぐに病院へいって診察を受けてください。

睡眠・バランス栄養食

睡眠
栄養バランスのとれた食事と睡眠を十分にとる、毎日の便通を整えるなど、規則正しい生活を心がけます。

便通→腸内フローラ

少しでも心地のよい睡眠に→肌にやさしいパジャマ